2021/04/21 02:48

桜が毎年咲いていた窓から見える神社。車が通るたびに桜が舞い上がりその窓枠は錆び吸い跡のタバコが数本皿の乗っている。床も壁も全てが黄ばみ、扉は建てつけが悪い扉は全ての人をイラつかせていた。頭を掻きながら練り歩く癖を持つ彼は誰からも距離を置かれていたがそう言う人ほど話し好きだ。それはお互いの純粋に何かしを知りたいと言う欲望には関係は無かった。それは何も知識も無く何事にも興味を持ち感情のまま行動をする。純粋でもあり愚かでもあり全てを正しいと判断出来る年齢でもあった。帰り道に樹木の横に立てかけたバイクは薄黒くマフラーも凹んでいた。茶褐色の築何年かと思われるビデオレンタルショップ。照明は薄暗く機械やプラスチックからだ漂う匂いは自分の好奇心を向上させる。惑星ソラリス。ロシアの伝説的映画監督、アンドレイ・タルコフスキーがスタニスラフ・レフの小説『ソラリスの陽のもと』に制作された映画だ。開始10分もすると高速道路の映像が流れる。

1970年代初頭の東京、首都高速道路の走行シーン(1971年)60FPS版。不思議な感覚に落ちてしまう。宇宙とは未来でもあり繰り返しでもあり無限でもある。それはタルコフスキーの宇宙という観点の世界へと引き込まれていく。

1960年の旧ソ連の短編映。ローラとバイオリン。水や廃墟、鏡などのモチーフが既に現れており、端々にタルコフスキーらしさがうかがえる映画。タルコフスキーは「もし正常な長さのショットを引き延ばせば、最初は退屈になる。しかしさらに引き延ばすと、興味がわいてくる。 それをさらに延ばせば、新たな質、新たな関心の強度が生まれる。」と語っており、タルコフスキー的な時間の長さがこの時点で既に意識的に計算されていたことが分かる。これはタルコススキーの処女作品でありその後、惑星ソラリスという名作を生み出す原点でもあった。

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ソビエト・ウェイブそれはUKポストパンクと共に牽引され浮上。過去、評価されなかった物が現代では評価される。それはインディペンデントではよくある事で経済的に成功する物はごく一部だと言う。その様な現象が常にカルチャーの中には存在する。ソビエト・ウェイブとは、ロシア語で歌われるニューウェイブやシンセポップのことで、ルーツを辿ると80年代にイギリスで活躍したDepeche Modeなどのバンドに行き着く。Molchat Domaはソビエト・ウェイブやロシアン・ドゥーマー・ミュージック(ロシア語のポストパンク)を牽引するバンドとして注目されており彼らの楽曲「Sudno」はYouTubeで1000万回再生されている。Molchat Domaは英語で”House is silent”を意味する。旧ソ連のニューウェーブの系譜を引き継ぎながら、西洋のロックカルチャーに影響を受けてきたバンドだ。音楽に政治的主張を入れ込むとコンサートの開催を許可されなかったり、投獄されることもある社会主義的な一面の残るベラルーシ。クリエイションに対する100%の自由が保証されていない中で音楽活動を続ける行為は、旧ソ連崩壊後もいまだに残る負の遺産と葛藤しているとも解釈できる。

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Kedr Livanskiy。彼女を知ったのは日本で開催される“東京を中心に活動をしているアーティストが音楽を発信していく為のより良い環境を創る事を目的とした集団”=〈CONDOMINIMUM〉。DYGLやCairophenomenonsら同世代のアーティストと共に東京のシーンを築いていった。2017年にはCONDOMINIMUMのレーベルラインであるCNDMMもスタートさせ、CVN、Cemetery、Suburban Musïkの7インチをリリースした。その年には雑誌POPEYEに見開き2ページに渡って紹介されるなど、アンダーグラウンドを超え始めている。そのCONDOMINIMUMのゲストとして呼ばれたのがこのKedr Livanskiy。この時はあまり注目はされておらずCaptured Tracks傘下2MRに所属。その後のロシアテクノシーンを牽引すると思いもしなかった。それはブッテクノ(Buttechno)も同じく、Kedr Livanskiyの彼氏。Buttechnoで有名なのはやはりゴーシャ・ラブチンスキーだと思う。ロシア出身のゴーシャ・ラブチンスキーは、自らの名を冠したブランドを始め、今やCOMME des GARCONSから制作支援を受けるほどの評価を得ている。ユースカルチャーを感じる彼の表現において、その背景に流れる音楽を見落とすことはできない。Buttechnoことパベル・ミルヤコフ(Pavel Milyakov)は、現在28歳のプロデューサーだ。ゴーシャとは同じ価値観を持つとして認め合う仲で、音楽面でもゴーシャを支えながらロシアのアンダーグラウンドシーンを引っ張る重要人物だ。そのサウンドは、四つ打ちとブレイクビーツを行き来きする実験的な展開が特徴的。そうした音源を発表しながら、カセットとレコードを中心とするレーベル"Johns' Kingdom"も運営している。また、自身の美学に共鳴するアーティストを発掘し紹介することも率先して行なっている。

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Kate NV。Orange Milk Records所属と言う事で彼女の事を知った。Orange Milk〉は2010年にオハイオで拡張するアンダーグランドなエレクトロニックミュージック・シーンに特化したデジタル、カセット、ヴァイナルのレーベルとして始動。以降は、NYを拠点としながら、Seth Grahamとレーベルのヴィジュアルとアートワークを担当し、Giant Clawとしてソロ活動をするKeith Rankinによって運営され、食品まつり a.k.a foodman、DJ WWWW、toiret status、D.J.Fulltono、CVN、DOK-S、Koeosaeme、mus.hibaなどの日本人アーティストや、Bataille Solaire、Event Cloakなどのカナダのアーティストと強い関わりを持ち、世界へ多くの新鋭アーティストを輩出し、注目を集めてきた。ヴェイパーウェイヴ以降において、もっとも先鋭的なレーベル。

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KATE NVはロシアはモスクワをベースに活動しているプロデューサー/DJ/演奏家/ヴォーカリスト、ケイト・シロノソヴァによるソロ・プロジェクト。元々はSonic YouthやDinosaur Jr.などに影響を受けたオルタナティヴ・ロック〜ポストパンク・バンド、Glintshakeのヴォーカルとして活動。収録曲「вас YOU」は細野晴臣のラジオで2度に渡りプレイするなど、日本でも話題となった…そう、ここが気になるポイント。細野晴臣・山下達郎・大瀧 詠一など再注目を浴びているそれは現在、日本ではシティーポップが根付いておりその延長線上がヴェイパーウェイヴなのだ。今回のシン・エヴァンゲリオン劇場版:||の主題歌。宇多田ヒカル「One Last Kiss」の共同プロデューサー、A. G. Cook。彼はPC Musicの創始者である。僅か3年というスパンでそのレーベルネームを世界規模のものとした。それはクラウドミュージックと言われSOPHIEは2019年にコーチェラに出演し、グラミー賞にもノミネートされた。音源がインターネットに残ってさえいればいつでもアクセスができ、それがどの国に置かれていても聴くことが可能。そして、アーティスト同士のコラボ―レーションだって実現できる。PC Music以降の世代は、ネット環境さえ整えれば世代や居住区を超えられることを知っているのだ。クラウドから生まれたレーベルは多数存在し世界的に評価されたYear0001・100% ELECTRONICAなど。

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こちらは1970~70年代、ロシア海軍のストームスーツ。ボディーはPVC(オイルスキン)生地かと思いますがロウ引きされた物は見た事がありません…やはり海水などによる劣化。そして、海上での耐熱・防寒の為、この様な加工が施されてるのかと思います。ロウ引きの製法は革製品に応用されるのですが
使い込んでいくうちに中の蝋(ロウ)が溶け出し本来の表情が出てくると言う利点があります。それは経年変化によるアタリやフェード感は、年代物らしい素朴で味のある風合いが出てくると言う事です。このStormの由来ですが嵐を意味します。
嵐の中でも堪え兼ねるスーツとして製造されロイヤルネイビー、フォールウェザーと同部類の物かと思います。現在、タンカーズスーツは高騰をし注目を集めましたがその後に続くロシア軍名作のアイテムと自負しております。ボタンは全て金ボタン仕様のロシア海軍特注ボタン使用。こちらのタイプはダブルブレストになっており両見頃でも留める事が可能で人気のシルエットです。チョコの監督Jan Švankmajer。彼の作品の拘りは全てチェコである事。それは家具・洋服・スプーンの一本まで…映画、ブリキの太鼓でも感じる様にやはりフランス・イギリスとは違うカルト感を持ち合わせた雰囲気は統一感やそこで根付いた文化がバックボーンの持ってるからこそその物体として表現されてる様な気がする。このストームスーツもまさに。ロシアSFカルチャーが70〜80年代にムーブメントが起きなければ必ずテクノは浸透しなかったしゴーシャ・ラブチンスキーも存在はしなかったであろう。何のカルチャーでも違和感はとても大切でそれはとても居心地が悪い物。ただそれは新しいと必ず起きる事でもある。